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書いたはいいけど、
考えてたオチまで持ち込めない気がするので放棄。(死)
こんなんばっかだ…

フレンとユーリは共生なんだよっていう…
そういうのを書きたいんだ…!
離れるとか離れないとか以前に、ふたりでひとつっていうか…

そこでなんでレイユリなのっていう、私らしさ。(なんだそれ)

あ、「結婚」を言わせたかったためのにょたユリです。
色々捏造。

上記をご了承頂けましたら↓のリンクから。


「別れよっか」

そう告げられたのは突然。
それは告白の時のように、軽く、簡素。


本当は言いたいことも、聞きたいことも、たくさんあった。

でも、『何で?』とか、
『何か悪いところあった?』とか、
『他に好きな人でもできた?』とか、
そんな月並みの反応が女々しく感じられて、オレは軽く「…あっそ。」と一言で承諾した。
それが自分らしい、と思った。
彼が愛してくれた自分らしい、と。



***


ユーリと付き合いはじめて早数ヶ月。
最終的に、テルカ・リュミレースを救うことになったあの旅をしていた頃から、まぁ、何となくそんな感じではあったけれど(やることはやってたし)、ちゃんと告白したのは旅を終えてから。

こういうのは一応、儀礼だ。
「付き合おっか」に「いいぜ」の軽い問答だったけど。

その日から、ユーリは<仲間>から<恋人>になった。

恋人…。

うん、いい響きだ。

多少、皮肉屋で捻くれ者ではあるけれど、根は優しく情に厚い。
おまけに見ての通りの器量よし。
そんでもって、床上手!…なんて怒られそうだけど。

そんなユーリは、シュヴァーンが死んでしまったせいで地位も名誉も住居もなくしてしまった俺の、唯一の自慢。

14も年下の、可愛い可愛い俺の彼女。


「おっさん、夕飯何食いたい?」

夕暮れ時、ザーフィアスの下町をユーリと2人(+わんこ)、並んで歩く。
凛々の明星の依頼で、久々に帝都の近くに立ち寄った帰り道。
こういう時は決まって、ユーリの部屋にお泊まりだ。

「はい!ユーリちゃんが食べたいです!」
「……飯抜きな、了解。」
「うそうそ!サバの味噌煮が食べたい!」
「ん、サバな。」

にっ、と笑うユーリの髪が揺れる。
さらさらの髪から、ふわりと微かに甘い香りがした。
その匂いを追って寄り添うと、時々、ユーリの細く白い指に手が触れた。

「ねー、手ぇ繋がない?」
「はぁ?嫌だよ。下町でんなことしたら、何言われっか…」
「いいじゃない、恋人同士でしょー」

「そういう問題じゃない!」と、未だ拒むユーリの手を、無理矢理ぎゅっと握る。
剣を握る手とは思えないほど、柔らかい。
やっぱり肉刺はあるけれど。
世界一いとおしい手だ。

上機嫌にぶんぶん振り回すと、ユーリは不機嫌そうに眉をひそめたが、もう文句を言ったり、振り解こうとしたりはしなかった。

そのまま、ユーリの感触を手に感じながら、家路に着く。





「んじゃ、ちょっくら行ってくるわ。」

そう言って、部屋に着くなり、1階へ引き返すユーリ。

元々、宿であるユーリの部屋にはキッチンはない。

なので、女将さんの計らいで、1階の調理場を借りて作ってるらしい。
毎回、材料を持ち込んで階下に降りてゆく。
その際に、しばしば、明らかに持っていた材料では作れない量の完成品を持って帰ったりしてくる。
たぶん、女将さんたちに持たされるのだろう。
ユーリは、下町の人間にひどく愛される存在であるようだ。
この町を、一緒に歩く度に、それを感じる。

さすが、俺様のユーリ。

「まぁ、一番ユーリを愛してるのはおっさんだけどね~」

なーんちゃって!

…わんこが欠伸した。
最近、惚気をスルーするスキルをつけたようだ。
見向きもされない。

「…わんこ、遊ぼっかぁ」

ユーリが戻ってくるまで、わんことじゃれることにした。

しばらく、何ともなしに遊んでいると、キィ、と突然、扉が開いた。

「………。」

ユーリ、じゃない。

逆光に照らされる、小さなシルエット。
よく知るカロルより、少し小さいくらいだろうか。

見たところ、男の子のようだ。

「ボク、どったの?ユーリなら留守だけど。」
「…知ってるよ。下でしょ?」
「そう…。」

ならば、一体何の用なのか。
普段から、鍵をかけないユーリの部屋には盗むようなものは何もない。
コソ泥、ってわけではないだろう。

「おじさんに用があるんだ。」
「…ん?」

用と言われても、初対面…のはずだ。
…いや、よくユーリと話していた少年か?
テッド、と言ったか。

「ねぇ、おじさん。」
「はいはい?」
「おじさん、ユーリと結婚するの?」
「………へ?」

結婚?

ユーリと…。

真っ白なウェディングドレスに身を包んだユーリを想像して、胸がきゅんとなる。
想像するだけで、顔が緩みそうだ。
可愛すぎる…!

ヴェールから現れる彼女の顔は、たぶん、きっと、一番綺麗。

まだ、そうそう現実味のある話ではないが。
いつかは…
そう、いつかは…!

「いや~…どうだろうね…。おっさんはしたいけど…――」

言い掛けて、キン、と耳に響く、子供特有の高い声がそれを遮る。

「ダメだよ!ユーリはフレンのお嫁さんなんだから!」
「…は?」

耳の奥で反芻される、耳障りな音。
自分から質問してきたんだから、最後まで聞きなさい、と思ったのも一瞬。
その言語の意味が理解できずに、フリーズする。

「な、に…?」

フレン…?

「ユーリとフレンはずっとずっと一緒なんだ!運命なんだ、ってみんな言ってるよ!!」

何だ、それは。

ずっと一緒だったのは、知ってる。
そして誰より仲が良いことも。
でも、それは親友としてだ。

初めは嫉妬をしたりもしたが、お互いに全く男女としての意識がないようなので、無駄な心労を重ねるのはやめた。

そりゃあ、あれだけの美男美女だ。一緒にさせたいと言う気持ちは解らないでもない。
悔しいけれど、35歳のこんなおっさんなんか比ではない。

「…そ。で?おっさんにどうしろって?」

その冷めた、抑揚のない物言いに、自分で驚く。
子供の戯れ言に、大人気ないな、と内心苦笑した。

「…ユーリは、渡さない。渡さないんだからな!」

こちらを指さし、そう必死に叫ぶテッドに、もしかしてこの少年もユーリ好きなのかな、と思った。
でも、ごめんね。

「うん、おっさんもユーリ渡せない。」

大人気とか、関係ない。

だって、ユーリはおっさんのだもん。
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